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審議会の会議

平成26年度 大分県スポーツ振興基金運用委員会 議事録

 

 平成26年度 大分県スポーツ振興基金運用委員会 議事録

○ 日 時     平成26年4月23日(水曜日)  10:00~11:30
 場 所     大分センチュリーホテル「桜の間」
 出席者    副委員長   野 中 信 孝  大分県教育委員会教育長
 委  員                  田 中  秀 幸  大分県カヌー協会理事長
                            石 橋 紀公子  大分県体操協会常任委員
                            佐々木 栄 子  大分県水泳連盟顧問
                            溝 部 敏 郎  別府市体育協会理事長
                            渚   洋 行  大分県高等学校体育連盟会長
                            梅 野 雅 子  大分経済同友会産業委員会委員
                            谷 口 勇 一  大分大学教育福祉科学部教授
                            岩 本 とみ代  NPO法人川添なのはなクラブクラブマネージャー
 監  事                  西   明 宏  大分県バレーボール協会理事長
 陪  席                  上 田 俊 彦  公益財団法人大分県体育協会総務部長
                            鈴 田 夢 希  研究助成事業発表者(大分大学大学院)
 事 務 局                 蓑 田 智 通  事務局長(大分県教育庁体育保健課長)
                            秋 好 寿 紀  事務局次長(大分県教育庁体育保健課体育・スポーツ振興監)
            他、事務局員9名

○ 議事録
〈資格確認〉
 進行(秋好事務局次長)より、大分県スポーツ振興基金運用委員会規約第8条の2によって出席者(9名)が
 過半数を超えていることから、本委員会が成立することが確認される。

1 開 会
  秋好事務局次長が開会を宣言。

2 あいさつ
  野中信孝副委員長があいさつ
  (要旨)
・委員長の広瀬勝貞大分県知事が公務により出席できないため代わって挨拶。
・本委員会への出席と本県のスポーツ振興に対する支援と協力に対しての御礼。
・大分県スポーツ振興基金は平成2年度から五カ年計画で県・市町村・企業・団体・一般県民の理解と協力を
 得て造成された。
・本委員会は平成7年度から選手強化事業をはじめ、企業・地域等の特色あるスポーツ活動の推進、競技団体、
 学校などへの支援等、基金の効果的な運用で本県のスポーツ振興に寄与してきた。
・昨年の第68回国民体育大会では、目標の10位台に、今一歩及ばなかったが、「チーム大分」一丸となった戦
 いは第69回長崎国体につながるものであった。本年の目標である「天皇杯順位10位台の奪還」に向け、来月
 から始まる九州ブロック大会で、昨年を上回る代表権の獲得をめざし、全力で選手強化に取り組んでいくこ
 と。
・地域のスポーツ振興においては、県内全市町村に43の総合型地域スポーツクラブが設立され、地域の実情に
 応じた特色ある活動が展開されている。今後も関係団体と連携を図りながら、県民だれもが生涯にわたって、
 豊かなスポーツライフを送るための活動の場として、総合型地域スポーツクラブの創設・育成を引き続き支
 援していくこと。
・「大分県スポーツ振興基金」は、競技力の向上や地域におけるスポーツ活動の推進など、本県のスポーツ振
 興に大きな役割を果たしてきたが、景気の低迷や社会の状況の変化など、基金を取り巻く状況も毎年厳しく
 なっている。今後もより効果的な運用に努め、基金事業の目的を達成していきたいと考えており、委員の皆
 様方の変わらぬ御支援と御協力をお願いする。
・本日は、平成25年度事業報告(案)並びに収支決算(案)、平成26年度事業計画(案)並びに収支予算(案)につい
 て御審議をいただくこと。基金事業の目的達成のため、積極的かつ建設的な御意見をお願いする。

3 議長選任
  大分県スポーツ振興基金運用委員会規約第8条及び第6条の2項により野中副委員長が議長に選任される。

4 議事
 〈議事録署名人選任〉
  議長提案により田中委員、梅野委員を選任する。

 【報告事項】
  ○蓑田事務局長が委員の変更について説明。(大分県スポーツ振興基金運用委員会規約)
   今年度は委員改選の年度ではないが、人事異動に伴い、委員・役員の変更があること。
   ・大分県体育協会関係者で、地域体育団体代表の別府市体育協会理事長溝部敏郎(別府市教育委員会ス
    ポー ツ健康課長)が就任すること。
   ・学校体育団体代表は、大分県高等学校体育連盟会長の渚 洋行(大分西高等学校長)が就任すること。
   ・新委員の任期については、第6条3項により前任者の残任期間平成27年3月31日までとなっていること。
   ※本日参加者より自己紹介

 【第1号・第2号議案】
  第1号議案:平成25年度大分県スポーツ振興基金事業報告(案)について
  第2号議案:平成25年度大分県スポーツ振興基金事業収支決算(案)について
  ○第1号議案・第2号議案については関連があることから、一括して蓑田事務局長が説明。
     ・事業報告(案)をレジュメ3Pにより説明
   〈新規事業について〉
   「3 スポーツの振興啓発に関すること」 
   (2)大分県のスポーツ推進に関する研究助成事業 鈴田夢希(大分大学大学院)など
    詳細は資料1:平成25年度実績一覧
     ・収支決算(案)をレジュメ4Pにより説明
  ○説明終了後、会計監査報告を、西 明宏監事から適正に会計処理されている旨を報告。
    ※委員からの意見はなく、第1号議案・第2号議案は全会一致で原案通り承認される。
  【第3号・第4号議案】
    第3号議案:平成26年度大分県スポーツ振興基金事業計画(案)について
    第4号議案:平成26年度大分県スポーツ振興基金事業収支予算(案)について
  ○第3号議案・第4号議案については関連があることから、一括して蓑田事務局長が説明。
   ・事業計画(案)をレジュメ6Pにより説明
   「1選手の強化に関すること」
   (1)指導者育成事業については今年度もスポーツコーチサミットの開催を予定していること
   (2)国際大会参加支援事業については、これまで高校生以上で教育委員会に出場あいさつに来ていた
      選手を対象にしていたが、対象者を中学生以上と拡大し、特別な事情で出場あいさつに来られな
           い県外在住の選手にも交付すること。
   (3)トップコーチ派遣事業は、これまで3のスポーツの振興啓発に関することで実施していたが、本年
           度からは項目「1選手の強化に関すること」に移行し、昨年度と同様に、海外2名、国内2名を予定
           していること。
   「2競技団体等の振興に関すること」
   (1)競技団体等振興事業については、例年通り、競技団体の区分別に補助金を交付することに加え、
           特殊競技等への補助を計画していること。
   (2)学校体育団体振興事業に関しても、同様に活動費の補助を計画していること。
   「3スポーツの振興啓発に関すること」
   (1)特色あるスポーツづくり推進事業に関しては、一企業一スポーツ推進協議会を昨年度まで項目
     「1選手 の強化に関すること」のなかで実施し、推進費を交付してきたが、今年度から推進費を
      大分県体育協会の強化指定費と一本化し、推進費を廃止したので、項目3へ移行したこと。推進費
           の一本化については、昨年度末までに企業を訪問し、廃止に至る経緯の説明を行い、理解をいた
           だいていること。今後の一企業一スポーツ推進協議会については、これまでの企業スポーツの振
           興に加え、本県出身の優秀選手の受け皿対策について検討をする会として継続すること。
   (2)大分県のスポーツ推進に関する研究助成事業については、昨年度開始した鈴田氏の研究に加え、
           今年度新たに新規の公募を行うこと。
   「4地域スポーツ団体の振興に関すること」
   (1)地域スポーツ団体振興事業の総合型地域スポーツクラブの支援として設立後1~2年目のクラブの
           支援に加え、本年度から大分県総合型地域スポーツクラブ連絡協議会(SCおおいたネットワーク)
           を支援すること。この協議会は、、各クラブにおける活動のノウハウや各クラブが抱える諸課題
           をクラブ間で共有し、解決にむけて協議する場として平成21年6月に設立された。現在は、クラブ
           交流会やブロック別クラブマネージャー研修会の開催を行っている。将来に法人化にむけての支
           援として、本年度から3年間の期間限定で支援していくこと。
 
     事業内容等の詳細については、別添の《資料2》に実施要項(案)を掲載。
      ・収支予算(案)をレジュメ7Pにより説明

〈質問〉
  ○野中副委員長
   減額の大きな要素である一企業一スポーツですが、企業のスポーツ活動について企業にとって財政的に
   苦しくなるのではないか。
 〈回答〉
  ○蓑田事務局長
   来年度の体育協会の指定で、企業については最重点企業A・B、育成企業の3段階として 幅広く指定し
   ていること。昨年度までも指定していたが、推進費がない企業については5社ほどしかなく、逆に活発
   に活動している企業については、推進費としては増えていること。

〈質問〉
  ○渚委員
   各事業実施要綱の2ページ、「国際大会参加支援事業」の「7その他」
   特別な事情により出場あいさつで来庁できないと、とあるがこの解釈はどうなるのか。
〈回答〉
  ○蓑田事務局長
   現在までは、県教育委員会に出場あいさつに来庁した者のみに激励金を渡すようにしていたが、国際大
   会に参加するときに日程がない、他の大会に出場しているといった理由で、県教育委員会に出場あいさ
   つにくる機会がない場合についてはという解釈。

    ※第3号議案・第4号議案は原案通り承認される。

5その他

 「大分県総合型地域スポーツクラブのプログラムサービス内容評価に関する調査研究」
         -クラブ会員の満足度と期待度を中心に-
                 大分大学大学院 教育学研究科 修士1年 鈴田 夢希

 このたびは貴重な研究助成をいただき、大変感謝している。昨年6月からはじめた研究の中間発表という形で
 発表させていただくこと。

Ⅰはじめに-問題所在
 わが国におけるスポーツ政策は、1961年のスポーツ振興法からとどまっていたが、2000年に文部科学省が提出
 したスポーツ振興基本計画によって大きく動き出すことになる。特に地方分権の風潮から各都道府県に委ねら
 れることになった。大分県においては、2005年「大分県長期総合計画」、2009年「大分県スポーツ推進計画」
 などさまざまな策が講じられ、生涯スポーツ社会の実現に尽力している。その中で特に重要視されているのが、
 総合型地域スポーツクラブ推進事業である。総合型地域スポーツクラブとは、ヨーロッパ諸国のクラブを参考
 に、「他種目・他世代・多志向」を掲げ、成人のスポーツ参加率の向上、地域スポーツの拠点となることを目
 的としたクラブのことである。2010年までに、各市区町村において少なくとも1つの総合型クラブの育成、各
 都道府県に1つの広域スポーツセンターの設置が目標とされてきた。大分県では、それらの目標を早々に達成
 し、2014年には43の総合型クラブが活動している。これまでの総合型クラブは、草創期においてスポーツ核サ
 ービスの充実を主眼におき展開されてきた。しかしながら、全国の53.6%のクラブが自主財源率50%以下とい
 う状況に陥っており、大分県も例外ではない。そのため、今後総合型クラブ育成が発展・成長していくために
 は、住民のニーズにあったクラブサービスの充実が重要な鍵となる。以上を踏まえ、本研究では、クラブ会員
 の意識調査をもとに、大分県内の総合型地域スポーツクラブで提供されているプログラムサービスの把握およ
 び理解し、会員確保を意図した新たなプログラムサービスの方向性を検討することを目的とする。

Ⅱ分析枠組み
 調査結果を示す前に、プログラムサービスにおける検討を荒井(1987)の「スポーツ空間論」を応用して考えて
 みる。荒井は、「われわれのスポーツ空間を、実社会とコートの中空間、コートの外空間とした上でこの空間
 の移動こそがスポーツ活動の楽しみである」とした。(スライド5)一番外側の枠は実社会-普段生活している場
 のこと一番内側の枠はコートの中空間-スポーツ活動をおこなっている場で球場のこと この前後の局面にお
 いて、部室やロッカールームなどコートの外空間で「ヤレヤレ」することで私たちのスポーツ活動がより充実
 したものになる、という考えである。この考え方を総合型地域スポーツクラブにおけるプログラムサービスに
 当てはめてみると、これまでスポーツの種目を増やすなどスポーツの機会、すなわち「コートの中空間」の充
 実に主眼が置かれていた。しかし、今後さらなる発展を遂げるには、むしろそれらの周辺にあるサービス、つ
 まり「コートの外空間」の充実が求められるのではないか。これらを踏まえたうえで、総合型地域スポーツク
 ラブが目指すべきプログラムサービスの方向性について検討する。

Ⅲ方法
 研究方法は、質問紙調査とインタビュー調査を予定している。質問紙調査は昨年度実施済みで、今回は質問紙
 調査の結果を中心に報告する。対象は、大分県内の全総合型クラブで、昨年活動している40クラブのクラブ会
 員を対象に各クラブ40部ずつ配布(1600部配布)し、813部回収した。配布方法は、各クラブに送付後、クラブ
 マネージャーをはじめとしたクラブ代表者から各クラブ会員への配布、回収、返送をお願いした。そのためク
 ラブ会員の選定は各クラブに委ねたので、若干の偏りが生じた可能性も留意する必要がある。

Ⅳ結果および考察
 サンプルの基本的属性は、女性のほうが多く、2割弱が60歳台であった。(スライド8) 次に、「コートの中空
 間に関するクラブ会員の満足度」を示した結果(スライド9) 各項目について、「大変良い・・・4点」「大変悪
 い・・・1点」の4点法で評価し、平均化したもの。また、別の質問から、クラブ会員は総合型クラブに対して「自
 身の健康のため」に参加している会員が多いことがわかった。この結果と表から、現在大分県内の総合型クラ
 ブに参加している会員は、プログラムサービスの質よりもスポーツができるという機会を重視している、こと
 がわかった。また、指導者による指導のわかりやすさや活動中の雰囲気の期待度も高いことから、指導者やク
 ラブスタッフなどの人的サービスを重要視している傾向にあることがわかった。これは「コートの外空間にお
  ける項目を示したもの」(スライド10) 先ほどの結果に比べ、全体的な平均値が減少したことから、クラブ会
  員が総合型クラブに対して、活動以外の面では価値を見出せていないことが感じられる。そのため今日の総合
  型クラブでは、公共性の高いスポーツ環境とはなりえていないことが推察できる。そのことに関連して、総合
  型クラブの理念である「多種目・多世代・多志向」、また「これらを達成するために住民がお金を出し合う」
  ことを前提としていることについての認識調査も行ったところ、約80%クラブが完全には理解していなかっ
  た。そのため、住民は総合型クラブに対しての認識として、民間のスポーツクラブと同等の営利団体という認
  識があるのかもしれない。しかし、総合型クラブに総じて、「大変満足している」とした会員を満足群、「ま
  あ満足している」「あまり満足していない」「全く満足していない」と回答したクラブ会員を不満足群とし、
  先ほどの活動外の評価結果を見たところ、総合クラブに総じて満足している会員ほど、他のクラブ会員、クラ
  ブスタッフとの関係構築が良好である傾向があった。ほかの質問から、多くのクラブ会員は総合型クラブに対
  して、一緒に参加する仲間や気軽に参加できることを求めていたことからも人との関わりが総合型クラブの賛
  意に影響していることが示唆できる。また、他のクラブ会員、クラブスタッフとの関係構築が良好な会員ほど
  所属する総合型クラブに愛着が強くなることがわかった。先行研究からクラブに愛着がある人ほど、クラブへ
  の協力意思が芽生えるという結果からも活動外の他者との関係構築は大きな役割を担っている。そのためクラ
  ブ会員間・クラブスタッフとの良好な関係構築ができれば、クラブにおいてはボランティアスタッフや指導者
  の確保が容易になる可能性も秘めている。それだけでなく、クラブ内の良好な関係構築は、非クラブ会員の住
  民をも巻き込む。クラブ内の関係が良好な会員ほど、新規会員の獲得に向けた働きかけを行った経験があった。
  すなわち、総合型クラブ内での雰囲気が心地よいものになると、クラブへの満足度が向上し、結果として近隣
  住民にもクラブを進めるというクラブの広報活動としての効果もあることがわかった。
 
Ⅴ結論(スライド15)
 改めて今回の質問紙調査を整理する。
・総合型クラブの理念が踏襲できていないことから、会員は、「スポーツクラブイコールスポーツを提供する場」
  という認識が蔓延しており、公共性の高い総合型クラブにはなりえていない。
・総合型クラブを総じて満足している会員、所属クラブへの愛着が強い会員ほど、他のクラブ会員、クラブスタッ
  フとの関係構築が良好であることがわかった。
・総合型クラブを総じて満足している会員ほど、非会員の地域住民へ向けた新規会員獲得行動が促されている傾向
  にあった。これらを勘案すると、総合型クラブに課せられる新たなプログラムサービスの方向性とは、活動外サ
  ービスの充実へと向かうのではないか。すなわち、クラブ会員間およびクラブスタッフとの関係構築を補償する
  ような仕掛けづくりこそが、会員増加を意図した新たなプログラムサービスなのではないだろうか。ただ、これ
  らはあくまで活動が充実している前提のもと発揮する効果であるから、「コートの外空間」に加え、「コートの
  中空間」においてもさらなる検討が図られなければならない。

Ⅵ今後の展開
 今後は、インタビュー調査から総合型クラブにおけるプログラムサービスの分析と加えて求められるプログラム
  サービスの検討を行っていきたい。

〈質問〉亀井主幹
    ・「荒井のスポーツ空間論」のコートの外空間の充実が求められる理由について
〈回答〉鈴田
       総合型のスポーツクラブの理念が「多種目・多世代・多志向」を掲げ、地域住民の地域スポーツの拠点とな
       ることを目標に推奨されていることから、ただ「コートの中空間」つまりスポーツの機会だけの提供になっ
       てしまっては民間企業が提供するスポーツ活動と同等の扱いになってしまう。また、地域住民の地域スポー
       ツの拠点となりうるには、地域が活気ある活動の場、地域住民が関わりあう場を設ける必要があるという視
       点にたつと「コートの外空間」の充実が見出せる。

〈質問〉亀井主幹
・スライド10のなかで、現在の総合型クラブが「公共性の高いスポーツ環境にはなり得ていない」と4点法評価をし
  た際に、そこまで言い切れないのではないか。
〈回答〉鈴田
 クラブ会員の約8割が総合型クラブの理念「多種目・多世代・多志向」「住民がお金を出し合う」を踏襲できてい
  ないまま、総合型クラブに参加している。公共性の高い環境となりえるためには、やはり理念をしっかり理解した
  うえで事業を行うことという観点から判断した。

 (2)大分県のスポーツの現状と課題について
〈学校体育班総括亀井指導主事より〉
 ○児童生徒の体力向上に向けた取組について
  これより「児童生徒の体力向上に向けた取組について」の説明。
  学校体育は、競技スポーツ、生涯スポーツの基礎を担うものであり、県教育委員会では、学力の向上に加え、体力
  の向上を重点施策として取り組んでいる。
・はじめに体力の必要性について
(スライド1)震災の影響により、福島の子どもたちに何が起きたかをまとめたものである。十分な運動ができなくな
 った結果として、体力が落ちた、肥満度が高まったという身体的な表向きの影響に加え、自己肯定感の低下、自己
 抑圧、反抗期が来ない、PTSDなどのストレスの増大といった心理的な影響が指摘されている。併せて、子どもなの
 に筋肉のこわばりや脱毛といったことが起きていることからも運動の必要性が再認識された。
(スライド2)トヨタ自動車の張会長は、講演の中で、企業が運動・スポーツ経験のある人材を求める理由として、運
 動やスポーツを経験した人間は、打たれ強い、努力すれば成果が出ることを知っている、新しいことに挑戦するなど、
 運動が心の育成に大きな影響を与える、ことを自身の経験を踏まえながら述べていた。
(スライド3)中教審答申や学習指導要領では、体力は活動の源であり、意欲や気力と言った精神面にも大きく影響を
  与えると明記されており、その必要性が重要視されている。
(スライド4)小学校の体力調査結果。色のついている部分が全国平均以上の項目であり、その割合は50%。課題とな
  るのは50m走であった。
(スライド5)中学校と高校の調査結果。小学校に比べ、色のついている部分が少なく、非常に厳しい状況といえる。
  いずれも女子の状況が深刻であることがわかる。
(スライド6)体力調査での全国平均以上の割合の推移をまとめたもの。小学校は、平成25年度は過去最高となる50%
  を記録したものの、中学校12.5%、高校6.3%で低迷している。全校種で見ると、棒グラフの29.7%で、県教育庁で
  はこの数字を平成27年度には50%にすることとしており、非常に厳しい状況となっている。
(スライド7)昨日全国学力テストが行われたが、体力についても全国体力調査が行われている。その順位の推移だが、
 平成20年度から始まり、昨年度大分県の小学校5年男子が12位、女子が23位、中学男子が21位、女子41位であり、お
  おむね上昇傾向にある。中学女子については41位と低いが、平成21年度からの伸び率で比較すると全国2位、小学校
  5年男子は全国1位となっている。
(スライド8)運動への愛好度と体力合計点の関係を示したもので、運動好きほど体力合計点が高い結果となっている
  が、ここで問題となるのは、校種が上がるにつれ運動嫌いの割合が増えていることである。
(スライド9)運動の実施頻度と体力合計点の関係を示したもので、実施頻度が高いほど体力合計点が高い結果となっ
  ているが、ここでは、校種が上がるほど運動を行っていない割合が高くなることを問題として捉えている。また、高
  校生女子の6割近くが、体育の授業以外ではほとんど運動を行っていない実態は、将来母親となり子育てをするうえで、
  子どもの運動機会が少なくなるのではないか、という「負の連鎖」が起きることが危惧される。
(スライド10)昨年実施した県民のスポーツに関する実態調査によるスポーツの実施状況の結果である。国が「週1回1
  時間以上運動する国民の割合を65%以上にする」という目標を掲げる中、本県では、その目標に届かないだけでなく、
  全国平均を大きく下回っており(40.5%)、さらに若い世代ほど、運動を行っていない実態が明らかになっている。
  特に20代で、この結果は学校体育とのつながりがうまくいっていないのではないか。わかる体育、楽しい体育ではな
  く、やらされる体育になっていたのではないかと考えられる。
(スライド11・12)ここからは、体力向上対策について
 これまで述べた課題を踏まえ、県教育委員会では、生涯にわたって健康・体力の増進を図れるよう、目指す児童生徒
  の姿を「運動の楽しさを知っている」、「運動好き」と設定し、体力向上の推進に取り組んでいる。その取組の代表
  的なものが、昨年度から児童生徒の体力向上に向けた「一校一実践」である。内容は、学校毎に体力向上について、
  取組名を定め、課題をもとに、取組内容や指標を設定し、検証改善を行うものである。
(スライド13)取組の趣旨は、体力課題を明らかにし、校長によるリーダーシップの下、体育主任等ミドルリーダーを
  中心として、全教職員により組織的かつ計画的に体力向上の取組を推進していくことである。
(スライド14)運動の日常化を図るには、活動できる「時間」、「空間」、「仲間」つくりに加え、自主的な活動とし
  ての位置づけ、課題や目標の設定などがポイントとなる。
(スライド15)最後に、この写真のような場面が学校や地域でこれまで以上に増えることが、体力向上に係る取組のゴ
  ールイメージであることを確認して本日の説明を終わる。

〈生涯スポーツ班塚崎指導主事より〉
○地域スポーツの推進について
  地域のスポーツ活動を行う場合に、スポーツに参加するのは地域住民であり、場を提供する側としては、行政、民
    間、そして総合型地域スポーツクラブがある。その総合型地域スポーツクラブの説明をするが、先ほど鈴田氏の説
    明と重複するところがあるので、重ならないところを説明する。(5ページ)  平成26年3月31日現在、大分県内では
    43クラブが設立されており活動を行っている。(6ページ) これは年度ごとのクラブの育成状況で、平成14年に初
    めてクラブが設立されて以降、これまで43クラブが設立されている。平成26年度が未定とあるが、現状では新たに
    設立する予定はなく、今のところは43クラブで活動する形になる。(7ページ)これは、年度ごとに基金の活用して
    いる市町村・クラブの一覧を示している(8ページ)各総合型地域スポーツクラブは、それぞれの地域の実情に応じ
    て活動を展開していくが、各クラブで組織を作っている。その組織は大分県総合型地域スポーツクラブ連絡協議会
    通称SCおおいたネットワークに加入している。(今年度は基金を活用させてもらう予定)
○大分県の現状について
  加入クラブ数43クラブ、会員数16,000人(大分県の人口の1.3%)すでに2クラブはNPO法人化している。全国では、
    3,300の総合型クラブがあり、そのうち法人化しているのは11%ぐらいだと言われている。1クラブあたりの平均会
    員数は、390人。43クラブの年間予算は1億9千万円程度で、1クラブ平均は530万円くらいである。43クラブの自己財
    源率は63.1%、全国的には自己財源率が50%以下のクラブが56.7%と言われているので、全国の平均からみると、
    大分県の総合型地域スポーツクラブの自己財源率は高いといえる。これらの43クラブは組織を作っており、大分県
    総合型地域スポーツクラブ連絡協議会に加入している。この全国レベルの競技会は、すべての都道府県においてこ
    のような組織がある。連絡協議会への加入は任意だが、大分県の場合、全クラブが加入している。この競技会は各
    クラブの会費をもって、自己財源で運営されている。クラブの育成については、大分広域スポーツセンター(県体
    育保健課内に設置)、県体育協会、市町村教育委員会のスポーツ主管課が協力して育成しているが、最終的には行
    政の手を離れクラブ独自で活動していくことを目指している。そのためには、クラブを組織化し、協力して運営し
    ていくという流れで進んでいる。また、法人化を見据えて、現在行政が行っているさまざまな事業をクラブ独自で
    行っている。(別冊パンフレット)43クラブ全ての基礎情報とSCネットワークの活動をまとめたもの。将来的には、
    SCネットワークがスポーツ活動の核となるように、行政は行政として、地域住民は地域住民としてできる活動をし
    ていきながら、クラブを介して地域の活性化を図っていきたい。

〈競技力向上対策班加藤指導主事より〉
 本県の競技力向上対策について。
(資料9ページ)
  これは、過去10年間の国民体育大会における天皇杯順位の推移である。本県は、平成20年の大分国体での天皇杯獲得にむけて手作り選手の育成・強化を計画的に推進してきた。平成21年以降は、大分国体にむけて培った競技力の維持向上に向けた選手強化システムを継承しながら、関係機関・団体が連携して選手強化に取り組んできた。表の一番右は、平成25年の第68回東京国体の結果である(本県の成績は、黄色で示している)。天皇杯得点944点を獲得し、天皇杯順位22位であった。目標は、2年連続の10位台だったが、30.5点及ばず、目標の達成にはならなかった。
    入賞者数は、前年に比べ増えてはいるが、1位から4位までのいわゆる上位入賞者数が前年を下回ったことに加え、多人数競技や成年女子の得点減少が順位低下の要因が挙げられる。そのようななかで、主に高校生が出場する少年の部は、昨年8月本県を中心に開催された北部九州インターハイにむけた強化の成果もあり、年々下降していた少年の部の得点が3年ぶりに上昇したことや入賞数、得点した競技数、そして種別数が前年を上回っているという成果も挙げられる。表の1位から19位までのところを太線で区切っているが、そのなかの都道府県名を見てみると、どの年においても国体を開催する県、大都市圏、今後国体を開催しようとしている県、もしくは国体が終わってすぐの県や冬季競技が主力の県などで占められている。だいたい19位までは、ほぼ固定化されているような順位になっている。
    そのなかに本県が割って入る、ということは実は相当厳しい状況である。本年の第69回国民体育大会での「天皇杯10位台の奪還」にむけ、依然として高いハードルだと考えているが、「チーム大分」一丸となって強化に取組み、なんとしても目標である「10位台の奪還」を達成したいと考えている。(資料10ページ)これは、平成26年度「10位台の奪還」にむけた競技力向上対策の取組みの関係図で、図の一番下、三角形の競技力向上のシステムを下支えする基盤整備については(右下オレンジ)、主に「大分県スポーツ振興基金事業」で、この事業が担当して、指導者の育成や総合型地域スポーツクラブサポート事業等を実施しているところである。次に、三角形の底辺の部分にあたる「ジュニア選手の育成・強化」については、大分県教育委員会が実施している「未来のアスリート発掘・育成事業」が担当している。小学生から中学生までの優秀なジュニア選手の強化を図っていきたいと考えている。その次に、育成強化され  たジュニア選手が各競技の拠点となる学校等に進学するので、大分県体育協会が実施します「スポーツ大分パワーアップ事業」により、主に強化拠点となる学校や企業等を強化指定して重点的に強化を図っていきたいと考えている。次に、大分県競技力向上対策本部が実施している「チーム大分強化事業」(赤色)は、各拠点で強化された大分県選抜選手やチームを年間計画に基づき効果的に強化を図っていくものである。このように関係機関・団体と連携し、第69回国民体育大会での「10位台の奪還」を目指すこととしている。また、ご存知のとおり、2020年にはオリンピックが東京で開催される。県内においても、本県出身選手が日本代表として東京オリンピックに出場し、活躍することを期待する声が高まりつつあるという現状があり、今後は、オリンピックをはじめとする国際大会を視野に入れながらジュニア選手の育成強化や指導者の養成などを効果的に取組むことにより、本県手作り選手の育成強化をめざす必要があると考えている。

 〈質問〉
○田中秀幸 大分県カヌー協会理事長
 ・地域スポーツの底辺を支える総合型地域スポーツクラブは大変良いと感じているが、43クラブあるなかで現在財政支援をされているクラブの抽出や選ぶ基準について。
〈回答〉
○蓑田事務局長
 現在県内に43クラブあるが、抽出して支援するということではなく、設立されて1年目・2年目のクラブに対して支援を行っている。

〈意見〉
○岩本とみ代 NPO法人川添なのはなクラブクラブマネージャー
 鈴田さんが発表されていたように、「コートの外空間」の充実がとても重要である。しかし、実情はスタッフだけが忙しく、住民はスポーツを楽しんでいるだけになっている。ただ、スポーツに参加するだけでなく、クラブに参画する関係にしたい。また、住民同士もお互いにつながりあうことが大切であり、そのつながりが総合型につながっていくのではないかと考えている。

〈質問〉
○谷口 勇一 大分大学教育福祉科学部 教授
 今年度の小学校の体育専任教員の配置状況について。
〈回答〉
○亀井主幹
 平成21年から小学校に配置するようになり、平成21・22年は各教育事務所管内に1名の6名配置。平成23 年からは16名配置。内訳は16郡市を基準にそれぞれ1名配置(国東市と姫島村は1人)。今年度からは、24名配置。内訳は大分市3名、中津市・別府市・日田市・佐伯市・国東市(姫島村)に2名ずつ、あとの市町村は1名ずつ配置の24名という状況。
〈意見〉
○谷口 勇一 大分大学教育福祉科学部 教授
 未来のアスリート発掘育成事業について。
 他県においても、タレント発掘事業というような事業で優秀な子どもたちを発掘していく事業が展開されているが、「それらを行っている自治体で子どもたちの体力の数値がそれほど上がっていない」、「競技力の向上を子どもたちに課すということが全体の体力の向上につながっていない」など二極化を指摘する研究者がいる。本県の「未来のアスリート事業」は賛成なのだが、何らかの配慮も必要なのではないか。特に、小学生については、全ての小学校の、全ての体育の授業のなかで、全ての子どもたちが「未来のアスリート事業」の候補者であるという意識を植え付けることからはじめるべきではないだろうか。そのなかで自分の同級生・知り合いのなかから事業の候補者がでてくれば、「しっかり応援したい」、「あの子が候補者になったのなら、私もがんばろう」と思えるはずである。すべての子どもたちにこの事業の恩恵や効果が波及できるシステムを考えておくべきではないだろうか。
〈回答〉
○加藤主幹
 「未来のアスリート発掘育成事業」が全ての子どもたちが候補であり、その中から選ばれていく形が理想であると考えている。この事業の現状は、各競技において、各競技団体が選考し、優秀な小学生・中学生をピックアップして強化していく形である。選ばれた選手たちを、それぞれの活動母体や学校体育、クラスのなかでどのように活かしていくか、ということをこれからは学校体育班をはじめ、現場にいる体育専科教員などとも連携し、体力向上にむけての取組みを模索していく必要があると考えている。

(議長解任)

6閉会
  秋好事務局次長が閉会を宣言。